2017年2月26日

いちろーくん


「店、一回閉めなあかん。」と早めに伝えた友人がいて、彼はその時黙っていて、うん、と言って普通に帰っていった。なんも言わんのかい、思ったけど、それはそれで。
あれから何度来てくれとるよ。仕事もあるだろうに住まいも大阪やのに。普通の顔して当たり前みたく来てくれて。何度来てくれとるよ。もうわかったから。涙が止まらん。

そんないちろーくんみたいな人が、この店には他にもいる。閉店すると告げてから幾度も幾度も来てくれる。遠くからやのに来てくれたり、頭痛薬渡しに来てくれたり、閉店間際にいつも来てくれてさりげなく話聞いてくれたり、ご飯差し入れてくれたり、フレンチトースト食べることを目標に病と向き合ったり、心が熱くなる。ほんまにありがとうございます。本人たちは、どれだけ愛のある人たちか自分でわかっとるんやろか。僕はそんな人たちみたいになれるやろか。忘れませんし、そうなりたいと心から思います。返してゆける人間になりたいと、心から思います。