2016年11月13日

店主の徒然日記


目を瞑るとふと思い出す人がいる。まめに連絡できんのは胸を張れる自分じゃないから。胸を張れる自分になれることなんてあるかどうかわからんのが、困ったことやけど。
元気?と聞かれて、「元気だよ」とうまく答えられない。元気?と聞いて、元気がなくても「元気だよ」と答えてくれるのもわかっとる。


そんなことを思っていると芋が届いた。力を失いかけた目に、懐かしい字がうつる。
甘い安納芋。洗うとうすピンク色の肌が見えてくる。独特の色合い、特有の甘味。


ぼこぼこした肌を洗い、あたため、ふかす。今日から一つずつ。ありがたい。この時間がありがたい。心が動くから。今まで起こったいろんなこと、これから起こるだろういろんなことを思う。どうか体だけは気をつけていてほしい。

傷を負って、背負うもの背負って、強く優しく美しくなれるなら、それも悪くないんじゃないか。不器用だし、決して無難ではないけれど、一筋ピンっと芯の通ったあなたの生き方が、どれだけ僕をあたためてくれているかわからないから。
細かいことはいい。疲れてたらざっくりとでもいい。自分の芯は、どう在れるだろうか。
安納芋は、甘かった。体に染み入る甘さだった。