2016年6月24日

店主の徒然日記


時間をかけて一杯の珈琲を飲むおじいさんがいる。新聞を読んでしばらく、新聞をたたんでしばらく。外の世界と繋がってしばらく、内の世界と繋がってしばらく。ポケットの携帯が鳴ることもなく、時間が彼には豊かにふるまう。そんな彼の姿に僕の何かがざわめく。

一人の点になる必要がある。テレビも携帯もしがらみも明日にやらねばならぬことからも離れて、一つの点になる時間が少しでも。

浮かんでは消えてゆくことに気づく。それは行き過ぎては戻り、片方からその反対の一方へ動いて何かになろうとしている。
いつでも僕らの中に宇宙が在り、不思議があることを、忘れずにいたい。
そんなひと時に寄り添えるお店に、なりたいんだった。