2016年5月17日

店主の徒然日記

2年前、オープン前の内装工事で、トイレまでやるお金が足りないと言われて、どうしようもなく悩んでいたら、看板娘のお父さんお母さんがお祝いだと新しいトイレを入れてくれた。だからトイレはこの店で一番きれいな場所だ。看板娘は1日に幾度かトイレを掃除しに行ってくれる。

今はインターネットがあるから、家にいながらにしてお金さえあれば欲しいものを早く手にできるかもしれない。でも、僕らの姿勢になってるのは、手にできるまでの過程で起こる苦労や感謝なのかもしれない。


店を始めて、物の大切さを感じるようになった。在るものは使いたい。在るもので工夫もしたい。在るものに感謝したい。


店なんて大きいものを始めてしまって、自分の身の丈がわからなくなってしまうかと思ったけど、反対にその身の丈が突きつけられて自分が彫られてゆく。
できないことの方があたりまえに多くがあって、それを助けてもらって成り立っている。全体と関わりのない個なんて、きっとないんだ。


今日作ったオムレツのうちの一つは、形が悪くなった。申し訳ないなと思う。でも、それはギリギリまでトロトロにできたからで。申し訳ないんだけど、嬉しくもあった。両方うまくできない自分がもどかしいけど、たぶんここにいつも来てくれてるお客さんはそうゆうことの何かをわかってくれてるように思う。店とともに成長してゆこうとしとる僕らを。
感謝しています。