2015年12月30日

店主の徒然日記


今日よく出たのはグラタンセット。
今日は29日。年末のこの日も、この店にはいつものような時間が流れる。きっとここには時をゆったり操る精霊が住み着いとるはず。といいように逃避してみるけど、それがいいのか悪いのかわからず居心地が悪くなる。もっと地を這うような理由もあるんだ。どんなことになろうと真実を知りたがるもんだ。
「今年はお世話になりました」も常連さんが言ってくれる。僕らの方がどれだけ支えられているかしれないのに。言葉は心を超えず、伝えられずに時は過ぎてゆく。
厨房からお客さんと顔を見合える時間は去り際のほんの一瞬で、「ありがとうございます。」とだけ言うことで今日も終わる。


でも「ありがとうございます。」だけは言える時間が在る、とゆうことを忘れたらあかん。心を込めて、それだけは伝えて過ごしてゆこうと思う。

お客さんがこの店に来たいと思ってくれてることは本当に嬉しい。でも、実は僕らがお客さんの顔を見たいと思っている。元気をもらえるから。


積み重ねてきたものは、目に見えん。それでも確かに胸はあたたかくなる。